蒼穹
僕は君の空になりたかった…
天高く…
何処よりも果てなく…
青い空に…
君は鳥のように
自由で
空に恋焦がれてた
そう…空に還りたいと
君は大きな翼で
羽ばたく
恋焦がれたあの空へ
でも…檻からは出られない
君の為の檻だから
逃げない為の
空に還さない為の
だけど…必死でもがく
狂った様に
空がそんなに恋しい…？
空がそんなに愛しい…？
その翼で空を駆けたいの…？
手折って終おうか？
その…翼
逃げることなど出来ないのだから
それでも君は…還る事の出来ない空ばかり見上げる
一層…空に焦がれて
羽ばたけない翼を広げ
届かない空へ想いを馳せる
僕はあの空になりたかった…
君の…君だけの空に
罪跡
生きていることなど、苦痛でしかない
誰に望まれたか…
誰が望んだりなどしたか…
理由も解らず、生きている
この命に理由など存在するのだろうか
投げ掛けては消える
問い掛けては募る
返ってなど来ない
解答えなど出ない
誰も知らずの意味なのだろうか
命の意味など持たない
存在は全ての否定
在ることすら間違い
絶えるはずの
朽ちるはずの
死すべきはず
命は罪
生は罰
死は咎
生きることは苦痛
死すことなど赦さない
意味など
理由など
存在などしない
壊想
一片の優しさすら狂気…
優しさで全てを飲み込む
誰にも全て…
その優しさが欲しい
でも…
それは叶わない夢
願うことすら赦されることの無い夢想
一片の優しさすら疵付ける
何処にも残されない愛のカタチ
誰も気付いたりしない
誰も望んだりしない
誰も…
それは慈悲という絶望…
それでも求めるは壊心
一片の優しさは凶器
望んではいけない
望めば朽ち果てるまで…
何処にもない愛となって
誰もが忘れる
夢柩
誰もが問う
其処に在ること
此処に無いこと
答は何処か
何を求めてまた彷徨うか
何を捜してまた躊躇うか
誰もが求め
誰もが捜す
涯て無き残骸の夢
脆く崩れ去った
夢の亡骸
欠片は記憶の破片
破片は追憶の断片
一片の夢も残さず朽ちていく
天上に在る空。
焦がれて、焦がれて。
翼を広げても、飛び立つことなんて出来ない。
羽ばたく事さえも出来ない。
唯。
高い、高い空に焦がれる。
翼の折れた私。
箱庭の空に焦がれてる。